飲食店営業許可は開業の第一歩

飲食店を始めるには、保健所から 「飲食店営業許可」 を取得することが法律で義務づけられています。許可を得ずに営業すると、食品衛生法違反として 50万円以下の罰金や営業停止処分 の対象になります（2021年6月改正）。

許可の有効期間と更新

• 有効期間はおおよそ5年間（営業所による）
• 更新時に再検査が行われるため、衛生状態・設備を点検し改善する好機となります。

許可取得までに準備すべき3項目

1. テナント選定
   • 手洗い器、給湯設備、二槽シンクなどが整った物件を選ぶと改装費を抑えられます。
2. 食品衛生責任者の配置
   • 調理師などの有資格者を採用するか、eラーニング講習を受講して資格を取得します。
3. 設備基準の確認
   • 二槽シンク、防虫・防鼠対策、十分な換気能力などが保健所基準を満たしているか確認します。

申請書類と手数料（東京都例）

書類	備考
営業許可申請書	電子申請可
施設平面図	手描き・CAD いずれも可
食品衛生責任者資格証	原本提示
手数料	18,300円の自治体が多い（Pay-easy 対応）

※手数料は自治体により 15,000〜19,000円程度 で異なります。最新情報は管轄保健所のサイトでご確認ください。

オンライン申請（24時間受付）

2024年から運用が始まった 「食品衛生申請等システム」 を利用すると、時間帯を気にせず申請できます。
書類不備は審査が停止 するため、提出前の事前相談を推奨します。

許可取得までの標準タイムライン（最短10日）

1. 事前相談
2. 申請提出（1日）
3. 保健所の施設検査（2~3日）
4. 許可証交付（約1週間）

3〜4月は新規開業が集中し検査予約が取りづらくなるため、早めの準備が安全です。

よくある不備と対策

不備	主な対処法
シンクが一槽のみ	二槽シンク増設または殺菌槽設置
手洗い器周辺にごみ箱がない	蓋付きごみ箱を設置
換気不足	必要風量を確認し、換気扇を追加
収納不足	常温・冷蔵・冷凍を区分し棚を明示

追加で必要な届出

届出	期限	提出先
深夜酒類提供飲食店営業届（0時以降の酒類提供）	開業10日前まで	警察署
消防署への設置届（火気使用設備）	設置7日前まで	消防署
開業届・青色申告承認申請	開業から2か月以内	税務署

まとめ

飲食店営業許可は 要件の確認 → 書類作成 → 検査 の流れを押さえれば、最短10日で取得可能です。
オンライン申請と早期の事前相談を活用し、スケジュールの余裕を確保しましょう。

行政書士として、設備要件の確認・図面の確認・申請書類の作成・検査立会いまでワンストップ でサポートいたします。ご不明点があればお気軽にご相談ください。